Compartir

第41話 そのお友達、本当に真の友情ですか?

last update Fecha de publicación: 2026-09-04 16:15:24

――ドンッ!

オーウェンが怒りに任せて拳を激しく机に叩きつけた。

「どうして分かってくれないんだ!」

今回の裁定に対し、オーウェンは憤りを隠せない。

「父上も母上も貴族主義的で人の心を理解していない!」

荒れるオーウェンに気づかわしげな視線を向ける男達がいた。

「落ち着いてください殿下」

眼鏡を掛けた怜悧な印象を受ける青髪の美形――サイモン・ケセミカ。

ケセミカ宮中伯の長男であり幼少期は神童とおだてられ育った英才である。

だが、イーリヤやレーキに遅れを取り成績不振に陥った。その為、一時は家の期待に応えられないと悩み苦しんだものだ。

そんな彼に人の価値は学業だけではなく、能力は学校の成績だけでは測れないと気づかせてくれたのがアイリスである。

「そうだぜ、俺達は最後まで殿下の味方だ」

赤髪の精悍な美丈夫であるクライン・キーノンは騎士を目指す裏表の無い真っ直ぐな少年だ。しかし、彼の強い正義感が裏目に出て騎士クラス内で孤立していた。

そんな愚直な性格も素敵なのだとアイリスに誉められ立ち直れた。

「ケヴィン先輩は心配だけど、まだ猶予はあるんじゃないかな」

実年齢よりちょっと幼なく見える白銀の髪と赤い瞳のアルビノの少年コニール・ニルゲ。彼はオーウェンの婚約者イーリヤ・ニルゲの義弟である。

彼は能力を買われて分家より養子となった。しかし、背も低く実年齢よりも幼く見える童顔のせいで侮られ、自分の容姿に強いコンプレックスを抱いていたショタ系美少年である。

アイリスは容姿で差別する連中がおかしいのだとコニールを励ましてくれた。おかげで彼は今のままの自分を受け入れてくれた事に自信を取り戻した。

ここにはいないが、ケヴィンも優秀な兄と比べられて苦しんでいる時にアイリスから励まされた縁でオーウェンの麾下きかに入った。

つまり、オーウェンを始めここに集うのは皆アイリス・カオロに救われた彼女の信奉者なのである。

「お前達の言う通りだな」

自分の選んだ側近であり友でもある男達に励まされ、オーウェンは頼もしそうに彼らを見た。

(そうだ、側近とはこうでなくては)

彼らはいつもオーウェンのやる事を応援してくれる。何があっても励まし支えてくれる掛け替えのない親友だ。

こうやって共に同じ道を歩んでくれる者こそ本当の人材であり宝ではないのか?

(この者達こそ真の友だ)

自分の執務室に集まった面々を見回してオーウェンは確信した。

それに比べて父や母が推した側近達はどうだ。小言ばかりで自分の信ずる道の行く手を阻み、邪魔ばかりしてくる。何事もやってみなくては分からないというのに。

最初から失敗を恐れて、やる事なす事に否定意見しか述べない。それでは前例の無い新しい取り組みは全て潰されてしまう。

(あんな連中は害悪でしかない。父上も母上も人を見る目が無い)

「お前達が俺の臣下、俺の友で良かった」

「私も殿下という至上の主と出会えたことを神に感謝します」

「おいおい、俺達を引き合わせてくれたのは神じゃなくてアイリスだろ」

「どっちも同じさ。だってボクらにとってアイリスは女神なんだから」

「違いない」

コニールの発言にクラインも笑って同意した。いや、オーウェンもサイモンも笑って頷いている。

共に笑い合える仲間達こそがオーウェンの宝であり、彼らと引き合わせてくれたアイリスこそがオーウェンの唯一。

アイリスを思い浮かべれば胸がポカポカと温かくなる。

ジョウジ・シキンやレーキ・ノモの如き事務的で歩み寄りができない輩は信用ならない。イーリヤ・ニルゲに至っては自分が第一王子だから擦り寄り婚約者となったような女だ。

あいつらは王家に寄生するクズだとオーウェンは信じている。まったく奴らは次代の王には相応しくない連中だ。

「父上も母上も大切なものが見えていないのだ」

「大丈夫です殿下。我々が道を示せば良いのです」

オーウェンが顔を曇らせたが、サイモンが事もなげに言ってのけた。

「うだうだ理屈ばっかこね回している奴らに惑わされることはないさ」

「そうそう。僕らの方が正しいんだって結果で示せばいいのさ」

クラインとコニールもサイモンに同調してオーウェンを励ます。

「だが、今回の件で俺ばかりかお前達にまで塁が及んでしまった」

この騒動でオーウェンの王位継承権だけではなく、彼らも婚約者との婚約が解消されてしまったのだ――とオーウェン達は勘違いしていた。

実際には彼らが婚約者を蔑ろにしてアイリスをちやほやしていたのが問題で、婚約者の実家から責任を取らされただけである。

「ふっ、あんな分からず屋など婚約解消できて清々しましたよ」

「まったくだ。だいたいアイリスに酷いいじめをしていた連中だぜ」

「うん、ボクらとあいつらのどっちに正義があるかなんて、いつか明るみに出るんだから」

だが、彼らは自分達の元婚約者達に非があり、自分達は不当に婚約を解消されたのだと信じて疑っていない。

「それに殿下、アイリスを諦める必要はありません」

ふっと笑いサイモンが眼鏡のブリッジを中指でクイッと持ち上げた。

「イーリヤ嬢の悪事を世に知らしめ我らの正当性を示せば良いのです」

「ああ、そうすれば殿下が王位継承権を失わずにイケ好かないイーリヤと結婚を回避できるってもんだ」

義姉上あねうえは王妃に、殿下の妃には相応しくないよ」

「お前達……くっ、俺は本当に素晴らしい忠臣に恵まれた」

自分を支えて背中を押してくれる頼もしい本当に仲間達である。彼らと巡り合わせてくれたアイリスには感謝しかない。

「殿下、今はまだ動く時ではありません」

「だが、必ず悪事はボロが出る」

「その時にボクらで義姉上に正義の鉄槌を下すんです」

自分達が正義、それ以外は悪……彼らの中ではそうなっていた。

だから、ジョウジやレーキの諫言がオーウェンには讒言ざんげんとしか思えず、彼には甘言ばかりのサイモン達が真の理解者だと思い込んでいた。

「みんな、ありがとう……そうだな、きっとイーリヤ達は自分達の非道を後悔するだろう。その時はさすがに母上にもご理解いただけよう」

この心得違いが近い将来オーウェン達の不幸へと繋がっていく――

「だが、今は俺よりもケヴィンが心配だ」

「そうですね。愛する者と引き裂かれた彼の心中を察するに余りがあります」

「俺達で励ましてやろうぜ」

「じゃあ今からケヴィン先輩のお見舞いへ行こうよ」

「そうだな。俺達だけでもケヴィンとウェルシェの愛を応援してやろう」

――だけど、それはまた別のお話……

Continúa leyendo este libro gratis
Escanea el código para descargar la App

Último capítulo

  • あなたのお嫁さんになりたいです!~そのザマァ、本当に必要ですか?~   第46話 その白銀の妖精、やっぱり黒くないですか?

    第46話 その白銀の妖精、やっぱり黒くないですか?「ケヴィン様はまだ諦めてないのね」レーキから報告を受けていた、ウェルシェの口から小さなため息が漏れる。ひと月程前から自分をつけ回す怪しい影に気がつき、ウェルシェはレーキ達に彼らの監視をお願いしていたのだ。今日はその報告を受ける為に1人で庭園へと赴いたわけである。さすがにアイリスから凸を受けるとは思わなかったが……「はい、彼らの大半はセギュル家ゆかりの者達でした」「大半?」「ええ、その……実はオーウェン殿下や側近達の息が掛かった者達も僅かながら含まれておりまして……」「それは殿下がケヴィン様に協力していると?」「おそらく」「呆れた」王妃から叱責を受けたオーウェンは王位継承権まで失う危機に瀕している。それなのに今その原因となったウェルシェとエーリックの婚約にちょっかいを出すのは火に油だ。「殿下はご自分のお立場を理解していらっしゃらないのね」「嘆かわしい限りです」オーウェン達は在学中に何かしら実績を上げて汚名を返上しなければ最悪廃嫡される可能性まであるのだ。ウェルシェ達にかかずらっている場合ではない。「もしかして、殿下は私がケヴィン様に懸想していると未だに信じていらっしゃるのかしら?」「おそらくは……オーウェン殿下にとってアイリス嬢の言葉は絶対ですから」さっきの人様の婚約者を捕まえて犬呼ばわりするアイリスを思い出してウェルシェは顔を顰めた。「どうしてアイリス様は私がケヴィン様をお慕いしていると思われたのか

  • あなたのお嫁さんになりたいです!~そのザマァ、本当に必要ですか?~   第45話 その王国、本当に未来が暗くないですか?

    「何なのかしら、あれ?」まるで嵐のように現れ去っていくアイリスに、ウェルシェは呆気に取られてしまった。「あれが『スリズィエの聖女』と呼ばれているの?」可愛い桜色の髪、澄んだ空色の瞳、華奢で小柄な肢体、際立った美貌ではないが、全体としてとても清涼感のある愛らしい美少女。確かに外見はスリズィエを連想させる可憐な令嬢である。だが、その中身は聖女より狂女だとウェルシェは思った。「とんだ見た目詐欺ね」カミラがいれば「お前が言うな」とツッコミを入れそうな完全なる特大ブーメラン発言である。「レーキ様達の苦労が偲ばれるわ」「お気遣い痛み入ります」アイリスが去りウェルシェしかいないはずの花園に響く男性の声。「まさか突撃を掛けられるなんてね」「お助けできず申し訳ありません」その声はレーキ・ノモのものである。どうやら木の陰に隠れているようだ。「仕方ないわ。今しばらくは私達の関係をオーウェン殿下には悟られたくないもの」正直そこまで警戒する必要があるのだろうかとレーキは疑問に思う。オーウェンはレーキ達を軽く見ている。彼らがウェルシェと結託しても歯牙にも掛けまい――レーキはそう分析している。「あの女の異常性は見ての通りですので重々お気をつけください」「ええ、あそこまで滅茶苦茶な方とは予想外だったわ」レーキの忠告にウェルシェは乾いた笑いを浮かべた。「オーウェン殿下達はあんなスリ

  • あなたのお嫁さんになりたいです!~そのザマァ、本当に必要ですか?~   第44話 その聖女様、本当にヤバくないですか?

    その後、ウェルシェはイーリヤと徐々に親交を深めていった。また、不埒な男共も完全に鳴りを潜め、ウェルシェは平穏な学園生活を取り戻した……かに見えた。が、新たな問題が出現した――「あんたも『転生者』なんでしょ!」「はい?」とある事情でウェルシェは校舎裏にある花園に一人で訪れていたのだが、そこに薄桜色の髪と春空色の瞳の美少女――アイリス・カオロが現れた。「トボけたってムダよ!」(えっ、突然何なの?)急にやって来て、開口一番ウェルシェに向かって訳の分からないことを喚き散らしたのである。意味が分からずウェルシェは目をぱちくりさせた。「ちゃんと分かってんだからね!」アイリスは恐ろしい形相で迫ってくる。『スリズィエの聖女』と呼ばれ、見目麗しき男達に愛嬌を振り撒いていた面影はまったくない。「あんた『ゲーム』の『設定』と違い過ぎるのよ」(うーん……意味不明ですね)アイリスの口にする単語が理解不能なウェルシェにすれば、子犬がギャンギャン吠えているとしか思えない。「ちょっと、何とか言ったらどうなの?」キレて叫ぶアイリスの身勝手さにウェルシェは呆れた。(何とも礼儀知らずな娘ね)友人でもないのに許しもなく高位の者に話し掛けるのはマナー違反である。それでなくとも国内でも有数の資産家で権勢を誇っているグロラッハ家とお近づきになりたい者は数多くいるのだ。いちいち相手などしてられるわけがない。「あなたはいった

  • あなたのお嫁さんになりたいです!~そのザマァ、本当に必要ですか?~   閑話イーリヤ① 悪役令嬢の杞憂

    「やっぱりゲーム通りに進行しちゃうのね」イーリヤの顔は暗い。「オーウェンとの婚約も回避できなかったし、なるべく学園には近づかないようにしてたんだけどなぁ」イーリヤは元日本人の転生者である。魔術のある世界に転生したと知ったイーリヤは喜び勇んだ。前世でも頑張り屋の優等生だった彼女は、絶対すごい魔術師になってやると情熱を注いで、幼少期から猛特訓を重ねたものである。もちろん公爵令嬢に生まれた以上その責務も忘れていない。勉学や貴族のマナー、その他できる事はなんでもやった。更には商会を設立してニルゲ公爵家の財政にも寄与した。イーリヤ自身にもちょっとやり過ぎた感がないでもない。「だけど、この身体って凄いスペック高いからやればやるだけ伸びるんで面白かったのよねぇ」努力すれば結果が返ってくるのは楽しいものだ。「それに前世ではこれからって時に死んじゃったから、采配を振るえるのが嬉しかったし」大手に内定決まって未来に大きな夢を抱いていた時に、痴情のもつれに巻き込まれて死んでしまった。その無念を晴らすようにがむしゃらに頑張ったのだ。痴情のもつれと言っても、イーリヤとは全くの無関係である。姫と持ち上げられてサークルクラッシャーしていた知人が取り巻きに襲われたところに居合わせて巻き込まれたのだ。「だけど、やり過ぎたせいで、あんな事になるなんて」頭痛でもするかのようにイーリヤはこめかみを押さえて嘆く。イーリヤの能力が注目され、王家から第一王子オーウェンとの婚約が打診されたのだ。その時になってここが乙女ゲーム『あなたのお嫁さんになりたいです』の世界と知ったのである。&nb

  • あなたのお嫁さんになりたいです!~そのザマァ、本当に必要ですか?~   第43話 その公爵令嬢、何か隠していませんか?

    ケヴィンの件が片付き、晴れ晴れとした気分で学園にウェルシェは登校した。「ご機嫌よう、ウェルシェ・グロラッハ様」そこで彼女を待っていたのは、普段は校内で見かけない美女であった。イーリヤ・ニルゲ公爵令嬢――黒い髪に赤い瞳、精巧な人形のように整った顔、女は嫉視し男は見惚れる起伏のあるプロポーション。一度その姿を目にすれば絶対に忘れられない絶世の美女。オーウェンのテコ入れの為にもウェルシェも近いうちに接触をしようと思っていた相手だ。(これは好都合ね)ウェルシェは内心でにんまり笑った。イーリヤは格上の相手だけに、どう接触しようか思案していたところなので、手間が省けた。「これはイーリヤ・ニルゲ様、ご挨拶痛み入ります」「将来は姉妹になるのだしイーリヤで良いわ」「では、私のこともウェルシェとお呼びくださいませ」しかも、望外にも名前を呼ぶ許可まで貰えた。これで今後は接触がしやすくなる。「本当はもっと早くにあなたと会いたかったのだけど……」「あなた様はとてもお忙しい身。取るに足りぬ私などをお気に留めていただけただけでも光栄でございますわ」イーリヤはふっと笑みを零した。見惚れるほどの妖艶な美しさだ。「ウェルシェが取るに足りなかったら、この学園のほぼ全員がつまらない人間になってしまうわ」「まさか……私のような非才の身など……」「謙遜も過ぎれば嫌味よ」(いやいや、公爵令嬢でありながら文武両道、魔力量甚大、努力の人で商才まである絶世の美女相手に何をど

  • あなたのお嫁さんになりたいです!~そのザマァ、本当に必要ですか?~   第42話 その侯爵夫人、思い込み激しくないですか?

    ――ガッシャーーーンッ!!!茶器が床に叩きつけられ、無残に砕けて散った。この部屋の主が大事にしていたオーダーメイドの高級品だったのだが。もっとも、金の模様が過多でなんとも品がない。「キャッ!?」間近に控えていた侍女が短い悲鳴を上げた。これまた高級そうだが派手な色合いでけばけばしい絨毯の上に飛散する茶器を前に彼女は震えた。「ケヴィンがいったい何をしたって言うのよ!」この部屋の主人であるセギュル夫人がまたいつもの癇癪を起こしたのである。「あの子はただ自分の恋人の窮地を救おうとしただけじゃない!」セギュル夫人はケヴィンの言い分を無条件に信じていた。だから、悪いのはエーリックだと疑いもしていないらしい。「それなのに、どうしてケヴィンだけが罰を受けなきゃいけないの!?」実際には継承権剥奪の危機に陥っているオーウェンが一番重い罰を受けている。だが、彼の罰には執行猶予がついており、今回の件でケヴィンだけが理不尽に虐げられているようにセギュル夫人には思えた。「こんなの王妃の横暴じゃない!」我が子だけが不当に罰を受けている――それがセギュル夫人の歪んだ認識なのであった。イライラしてセギュル夫人は親指の爪を噛む。「オーウェン殿下やエーリック殿下には何のお咎めもなく、ケヴィンだけに処分を下したのは王家にセギュル家を貶める目的があるんじゃないの?」もともとエーリックは自分の婚約者を守っただけで何の咎もないし、オーウェンにしても多少横柄ではあったが罪を犯したわけでは

  • あなたのお嫁さんになりたいです!~そのザマァ、本当に必要ですか?~   第9話 その親友、婚約の危機ですか?

    「もちろん、エーリック様をお慕いしておりますわ」ウェルシェは自信満々で(のもたらしてくれる富)と副音声に入れた。嘘は言っていない。「ふふふ、今のは嘘くさぁい」「もう!」「ごめん、ごめん」プイッとウェルシェはむくれてそっぽを向く。キャロルが笑いながら謝罪すると、ウェルシェは横を向いたまま横目で彼女をチラッと見るとため息をついた。「キャロル、私

  • あなたのお嫁さんになりたいです!~そのザマァ、本当に必要ですか?~   第8話 その婚約、本当にただの政略ですか?

    「ウェルシェは押しに弱そうなだからねぇ」キャロルの指摘にウェルシェはちょっと複雑な気分だった。擬態を解けば男共をあしらうのは訳ない。(だけど、今の私のイメージでは強く出られないしなぁ)エーリックの好みを演出する為のイメージ作りが仇となっている。それはウェルシェ自身も理解はしていた。だが、こればっかりはどうにもならない。「それにウェルシェを強引に口説こうとしている筆頭はオーウェン殿下の側近だし」「ケヴ

  • あなたのお嫁さんになりたいです!~そのザマァ、本当に必要ですか?~   第7話 その美少女ランキング、本当に必要ですか?

    「お申し出は嬉しいのですが……」ウェルシェがたおやかに微笑むと目の前の貴族令息は息を飲んだ。あまりに幻想的な妖精の笑貌で、見惚れて言葉を失ったようである。「私には婚約者がおりますの。もう声をかけるのはお止めくださいませ」だが、その愛らしい口から紡がれたのは辛辣な拒絶の言葉。「ま、待ってくれ。あんな婚約者よりも俺の方がよっぽど……」「あんな?」慌てた

  • あなたのお嫁さんになりたいです!~そのザマァ、本当に必要ですか?~   第6話 その入学、本当に大丈夫だったんですか?

    「なんなのよ、あの男どもは!?」いつもは人を食ったような態度で余裕綽綽のウェルシェが、らしくなくウガァーッと喚き散らした。その叫び声にカミラはそっとため息を漏らす。「私は面白おかしく学園生活を送りたいだけなのに!」ウェルシェがマルトニア学園に通うようになって三ヶ月が過ぎた。学園生活の出だしは上々。優秀なウェルシェにとって、学業関係や学園行事を卒なくこなすのは造作もない。お得意の猫かぶりで問題なく気の合う友人も作れた。そう、全ては順風満帆……のはずだったのだが、一つだけウェルシェに誤算があった。「どうして、言い寄る男が絶えないのよ!」つまり、エーリックの危惧していた通りになってしま

Más capítulos
Explora y lee buenas novelas gratis
Acceso gratuito a una gran cantidad de buenas novelas en la app GoodNovel. Descarga los libros que te gusten y léelos donde y cuando quieras.
Lee libros gratis en la app
ESCANEA EL CÓDIGO PARA LEER EN LA APP
DMCA.com Protection Status